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大杉栄 @ Belleville [本]

大正時代のアナーキスト、大杉栄の「日本脱出記」が面白い。国際無政府主義大会(!)に参加するため、官憲の監視をかいくぐってヨーロッパに渡るも、パリで投獄されて強制送還されるお話し。
それを近所にぶらりと散歩に行ったことを Blog に書くような調子で飄々と語る。自分のことなんだけどどこか他人事で。投獄されるのすらなんだか楽しそう。

大杉が同志のコロメルを訪ねて Paris の Belleville という町に着く。

> ブウルヴァル・ド・ベルヴィル
> (強いて翻訳すれば「美しい町の通り」)というのだ。
...
> なるほど大通りは大通りに違いないが、ちょうどあの、
> 浅草から万年町の方へ行く何とかとかいう大きな通りそのままの感じだ。
...
> そのすすけた汚さは、ちょっとお話にならない
...
> 店だって何だか汚らしいものばかり売っている。

このヒョーヒョー具合、いいですね。既視感があるというかなんというか。今回近くに来たので寄ってみましたよ。Boulevard de Belleville に。
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笑ってしまうぐらい、90年前に大杉が書いているとおりの、汚ない店の立ち並ぶ汚ない通りである(もっとも Paris の通りの多くはそうなんだけど)。大杉が同志と会うアナーキスト出版社(!) ル・リベルテエル社を探すが無い。ま、アナーキストの出版社ってたぶん今は無いよね。

> 道いっぱいに汚らしいテントの小舎かけがあって、
> そこをまた日本ではとても見られないような汚らしい風の
> 野蛮人見たいな顔をした人間がうじゃうじゃと通っている。

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うじゃうじゃ。
道の中央の舗道のテント市場は今でもあります。きっと大正時代もこんな感じだったんでしょう。趣味の悪い衣料品とよくわからない雑貨と食料品を延々売っている。Grenoble でいうと St.Bruno のマルシェが果てしなく続く感じ。

> キャフェは実にうまい。僕は二、三ばい立て続けに飲んだ。

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大杉はエスプレッソを大層気に入ったようだ。Belleville の汚らしいマルシェを眺めながら、大正時代にここに来たアナーキストを想ふ。


Dragons / Anarchy in the UK




日本脱出記 (ペーパーバック版)

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  • 作者: 大杉 栄
  • 出版社/メーカー: 土曜社
  • 発売日: 2011/04/10
  • メディア: ペーパーバック




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